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2006年2月

2006年2月25日 (土)

はじめて知った!雛人形の真実

Photo_2 ←美少年軍団(?)五人囃子。

この年になるまで知らなかった。五人囃子が男だったとは……!

雛人形の話をしていたら、友人ミが「五人囃子は男だ」と言い出した。私は子供の時から、五人囃子は全員若い女性だと思い込んでいたので、にわかには信じられない。しかしミは「服だって男だよ。今度見てごらんよ」と断言する。そんなバカな。私の記憶がおかしいのか?

うちに帰ってきて、押入れで眠っていた「五人囃子」を取り出してみる。きんきらのオレンジと紫の衣装、つるりとした真っ白な顔、薄い眉、オカッパ頭――彼らは、かつて少女楽隊だと信じていた頃のイメージそのままだった。やっぱり私には今でも、男やら女やらわからない、不思議な性別不明の生き物に見える。

そもそも雛人形とはお内裏様をはじめ、みんな性別不明だ。この時代、男女共通の「美の基準」はあっても、「カッコよさの基準」はなかったのだろうか。右近・左近を含む衛兵五人も、形だけ武装しているといった感じでタフには見えず、うち二人はなんと総白髪のじいさんである(ウチの雛人形はそうなっている)。心細いことこの上ない。それより私は、どう考えてもボディガードのはずの彼らが、三人官女や五人囃子よりも下の段にいるのが納得いかない。侍女をそばに置きたいのはわかるとしても、ジャニーズバンドは一番下で演奏してもらっても聞こえるではないか。

ミュージシャンが武将より上の段にいる世界――。昔の日本とは、そんなに平和なところだったのだろうか。

もし私が自由にひな壇のメンバーを決めていいといわれたら、五人囃子の一部を解散させ、宮廷料理人を入れる。それから、ちょっと辛辣そうな顔の伝記作家も。

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2006年2月21日 (火)

バイオレンス系悪女ならコレ!「バカなヤツらは皆殺し(ヴィルジニ・デパント著)」

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ひとたび犯罪者が銃という凶器を手にしたら、体格も年齢も、性別も関係ない。誰もが等しく危険な凶悪犯になることが可能だ。機械やコンピュータが女性の社会進出に一役かったというなら、銃もまた女悪党の解放に一役かったのではないか。昔なら娼婦でもするのがせいぜいだったような裏街道の女たちにも、今やもう一つの道がある。すなわち殺し屋や強盗といった、従来男のものだった稼業への進出である。

マニュとナディーヌもそんな女たちで、ひょんな出会いから意気投合して強盗二人組となる。その合間にナンパなどして遊ぶが、強盗で得た金があるので、もう男からは金を取らない。そのかわり、気分を害すれば遠慮なく部屋から叩き出し、さらに怒ると殺す。破壊と暴力によって自由を手にした彼女たちは、行く先々でやりたい放題、暴虐の限りを尽くす。

この2人がある日、金持ちの屋敷に盗みに入る。するとたまたま家主がイイ男である。しかも殺されたくない一心か、捨て身で媚を売ってくる。これがもし逆のパターン、男の強盗が美女の家主に遭遇……という状況だったら、まず間違いなく「ごちそうさん」となるだろう。しかしナディーヌは、ここに至って突然、微妙な女心を吐露する。

こんな男に愛撫されたら、ただでさえ毛深い肌にべっとり汗をかいてしまう。きっと、ごつごつの赤い虫になったみたいな気がするだろう。ウンザリだ。

「こんな男」とは、家主が美しすぎることを指す。相手が彼では、自分が見劣りするというのだ。さらに「……されたら」と受身な立場を想定していることから、ありふれた女性的感性の持ち主のようだ。だいたい毛深い肌もなにも、強盗なら自分は服を着たまま、家主だけを脱がせていたぶるのではないか。その程度のサディスト根性すら持ち合わせていない彼女が、どうしてあれだけ極悪非道なふるまいができたのだろう?

そう、この女悪党たちの真の恐ろしさは、時折かいま見せる普通の人間らしさにこそあるのだ。

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2006年2月16日 (木)

私の好きな悪女「世にも不幸なおとぎ話(ステラ・ダフィ著)」

404897323109_ou09_pe0_scmzzzzzzz_1 ファンタジーで思い出したのでもう一冊、こちらは立派な魔性の女(小宮が認定。)

 魅力的な悪役を創造するためには、その性格だけでなく、出身地から生い立ちからそれまでの生活ぶり、すべてを考え出すくらいでなければダメだ、と思っていた。

 悪者を「あっち側の人間」と思ってしまったらもうダメなのだ。そういう幼稚な精神で書かれた物語はすぐにわかる。

ただ、作家の性質によって、呼吸するようにすんなりと邪悪を滲ませる人もいれば、悪いヤツやイカれたヤツの内面に切り込んでいくのがどうしても不得意らしい人がある。後者の場合、嫌な印象はないが、「がんばってるんだけど、ダメだな……」という感じが残る。

このステラ・ダフィという作家は前者に違いない。クシュラ王女は魔法王国の住人だが、人間界にやって来て波乱を巻き起こし、他人の不幸を喜んで「気分爽快だ」などと言う。彼女が意地悪になってしまった理由というのが「生まれたとき、ハートの妖精が地下鉄のトラブルで遅刻し、<心>をプレゼントできなかったから」という。特殊な生い立ちでも過酷な環境でもなく「妖精が来なかった」。つまり100%天然、ナチュラルボーン悪女である。

こういう「生まれつき悪いヤツだった」という設定は、いわゆる影のあるタイプと違って、へたをすると薄っぺらな悪役になってしまう。だがこの本に限っては心配ない。クシュラ王女の天然悪人としての思考回路は、きっちり内側から描き出されて、独特の存在感をもつ。

このクシュラ王女、人間と関わるうちに、なかったはずの<心>が生えてきてしまう。すると、自らの胸を刃物で切り開き、生まれたてのハートを、荒っぽい外科手術のような要領で切除する(さらに、その肉片を隣の犬に投げ与えたりする)。

美しくもスプラッタな描写もさることながら、彼女のこういう潔さは、もう涙がでるほど魅力的だ。人並み以上の知能を持つ彼女は、自分が何を捨ててしまったかちゃんとわかっているはずなのだ。その行動は「人間は心だ」「愛が一番」などと一面的で平坦な価値観を押し付ける人間界への、究極の疑問符であり、レジスタンスのように思える。そう、魅力的な悪役とは、魅力的なアナキストでもあるのだ。

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2006年2月13日 (月)

感激!ヴァルデマール王国シリーズの最新刊

 448857708301_ou09_pe0_scmzzzzzzz_1大好きなマーセデス・ラッキーの新しい本が出てた……!

 私は中学時代からRPG風のファンタジー小説が嫌いで、「あんなもの小説でもなんでもねぇ!!」と怒っていたが、もちろんこのヴァルデマール王国シリーズは近頃氾濫しているゲーム風ファンタジーとは違う。

個性的でリアルな異世界。旅の道中は手で触れそうだし、戦闘シーンはスリリングだけど痛い。ケガも痛いが、食糧不足や悪天候も悲しい。女剣士の愛馬は戦闘用に訓練された産地証明つきだし、荷物にはちゃんと着替え用の下着や生理用品が入っている。傭兵隊が野営するときは、とりあえず便所用の穴を掘る。そんな描写がたまらない。

大人も満足させてくれるファンタジーだけど、同時に「もし娘がいたら読んであげたいファンタジー№1」でもある。作者が「女の子のための、女性キャラが活躍するファンタジーを書こうと思った」と言っている通り、どの物語もヒロイン・パワーで溢れている。シリーズの最初の方で活躍した女戦士たちは、それなりの地位や居場所を得て、次世代を担う若手ヒロインのよき先輩や教師になってゆく。

というすばらしい話なわけだが、たった一つ残念なのは、作者ラッキーの精神があまりにも健全でノーマルすぎるところ。そのため、悪役がいまひとつ怖さや、魔性の魅力を欠く。ベッドシーンもイマイチで、アン・ライス(「インタヴュー・ウィズ・ヴァンパイア」などの作者)のような淫蕩さも持ち合わせていない。ラッキーはリベラル派で、物語中ではレズビアンの戦士たちも普通にとけこんで活躍している。そんな自由な空気が気持ちいい。でも、ただリベラルだというだけでは凄い魔性や、型破りなエロスは醸し出せないらしい。でも、だからこそ「娘に読ませたいファンタジー」なのか……ヴァルデマール。

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2006年2月 8日 (水)

麻薬効果。フジ子・ヘミング

Photo_1 ずっと前にNHKのドキュメンタリー番組で見かけて気になっていた、ピアニストのフジ子・ヘミング。

 女性。猫大好き。独身。才能がありながらチャンスに恵まれず、貧乏時代の長いアーティスト……とくれば、否が応でも親近感――といったら僭越だけれども、とにかく憧れのようなもの――がわいてしまう。

 とりあえず、一番ジャケットがかわいかった「憂愁のノクターン」を買ってみた。CDの解説でものっけから「流浪の音楽家」などと呼ばれている。なんてクール!

 私は、ロックの良し悪しなら少しはわかるが、クラシックやピアノについてはまったく無知なので、「何がいいのか」ということは説明できない。 ただ、一度聴いてみるとまた聴きたくなる。麻薬のようにクセになる、不思議な音楽。

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2006年2月 3日 (金)

チョコレェトとゴシックの不思議な関係

Photo  私のお気に入りの板チョコ、エクセレンス70%。ビターでストイックな味。コーヒーが苦手なので、目を覚ましたいときや、元気になりたい時はコレ。多分同じくらいカフェイン豊富です。

 ショッピングモール研究家で、売り上げ促進アドバイザー(?)のパコ・アンダーヒルが書いた本に、こんな一節があった。

 (書店で)アン・ライスなどのゴシック小説のとなりには、チョコレートを並べて売ったらどうか。

 なぜなら、ゴシック小説を買う客は、どうせ他の店でチョコレートも買うはずだから、その手間を省いてやろうというわけだ。どうやら、ゴシック小説ファン=チョコレート好き、というのが常識としてあるらしい。確かに私もチョコレートが好きだし、知り合いのゴシック嬢にもチョコレート愛好家がいるけど……。

 チョコレートにはゴシックの心を惹きつける何かがあるのだろうか。

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