« 麻薬効果。フジ子・ヘミング | トップページ | 私の好きな悪女「世にも不幸なおとぎ話(ステラ・ダフィ著)」 »

2006年2月13日 (月)

感激!ヴァルデマール王国シリーズの最新刊

 448857708301_ou09_pe0_scmzzzzzzz_1大好きなマーセデス・ラッキーの新しい本が出てた……!

 私は中学時代からRPG風のファンタジー小説が嫌いで、「あんなもの小説でもなんでもねぇ!!」と怒っていたが、もちろんこのヴァルデマール王国シリーズは近頃氾濫しているゲーム風ファンタジーとは違う。

個性的でリアルな異世界。旅の道中は手で触れそうだし、戦闘シーンはスリリングだけど痛い。ケガも痛いが、食糧不足や悪天候も悲しい。女剣士の愛馬は戦闘用に訓練された産地証明つきだし、荷物にはちゃんと着替え用の下着や生理用品が入っている。傭兵隊が野営するときは、とりあえず便所用の穴を掘る。そんな描写がたまらない。

大人も満足させてくれるファンタジーだけど、同時に「もし娘がいたら読んであげたいファンタジー№1」でもある。作者が「女の子のための、女性キャラが活躍するファンタジーを書こうと思った」と言っている通り、どの物語もヒロイン・パワーで溢れている。シリーズの最初の方で活躍した女戦士たちは、それなりの地位や居場所を得て、次世代を担う若手ヒロインのよき先輩や教師になってゆく。

というすばらしい話なわけだが、たった一つ残念なのは、作者ラッキーの精神があまりにも健全でノーマルすぎるところ。そのため、悪役がいまひとつ怖さや、魔性の魅力を欠く。ベッドシーンもイマイチで、アン・ライス(「インタヴュー・ウィズ・ヴァンパイア」などの作者)のような淫蕩さも持ち合わせていない。ラッキーはリベラル派で、物語中ではレズビアンの戦士たちも普通にとけこんで活躍している。そんな自由な空気が気持ちいい。でも、ただリベラルだというだけでは凄い魔性や、型破りなエロスは醸し出せないらしい。でも、だからこそ「娘に読ませたいファンタジー」なのか……ヴァルデマール。

|

« 麻薬効果。フジ子・ヘミング | トップページ | 私の好きな悪女「世にも不幸なおとぎ話(ステラ・ダフィ著)」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/28889/693773

この記事へのトラックバック一覧です: 感激!ヴァルデマール王国シリーズの最新刊:

« 麻薬効果。フジ子・ヘミング | トップページ | 私の好きな悪女「世にも不幸なおとぎ話(ステラ・ダフィ著)」 »