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2006年4月 1日 (土)

「コレを好きな人はコレも好きなはず」って何よ!?

Ani111s11  個人的に、目にしたり耳にしただけでものすごい腹の立つ言葉があるが、その一つが「コレを好きな人はコレも好きなはず」という言い方だ。

たとえばレンタルショップのCDコーナーで、「○○を好きな人はコレも好きなはず」という店長おススメのメモが貼ってある。あんなものを信じて借りると、ほぼ100100中失敗する。確かにそこに書かれている「○○」は大好きだが、「コレ」を借りてみると大嫌いだ。音楽に疎い私は、いったい○○とコレとどこが似ているのか、どこが繋がっているのかまったくわからない。あの理屈はどこから出てくるんだろう。たとえジャンルが同じでも、ちょっと時代が変われば使ってる楽器がぜんぜん違う。歌詞だって(歌詞は重要だ)ミュージシャンの性格が違えばまったく違ってくるではないか。

一番最初にこの言葉で失敗したのは中学のときで、ある日クラスの子がファンタジー小説を持ってきた。私がファンタジー好きなことを知っていたので、「小宮ちゃんなら絶対こういうの大好きだよ」と自信たっぷりに言い切って貸してくれた。読んでみたら、ジュニア向け文庫の、チャチい三文小説だった。

ファンタジーといっても幅が広い。当時の私がハマっていたのは、ヨーロッパの民間伝承だ。三文ファンタジーも読んではいたが、それには戦闘シーンが過激だとか、悪役が残虐だとか、輪姦とか拷問とか両性具有者×触手の怪物のカップルとか、そういう正統派にないテイストが必要だ。いくら中学生でも、ただの楽しい冒険ファンタジーで、主人公の恋はキス止まり、せっかくの美形の彼氏はズボンのヒモ(中世風の世界だからジッパーはない)さえほどかない――そんな代物を読んだって、おもしろくもなんともない。それで一流小説ならまだしも、三文である。三文のクセにお上品ぶっているのだがら、バカバカしいことこの上ない。

しかし男でも女でも、純愛嗜好の人間というのは妙に独善的なところがあって、他人も自分と同じツボで感動するはずだ、と思い込んでいる。「もっとエロくて常軌を逸してなきゃダメなんだ」と何度言い聞かせてもわからない。それで、またしても三文のお子ちゃま向け初恋ファンタジー小説を持ってくる(今思うと、中学生だから仕方ない。そういえばあの子は学級委員長だった)。

あんまりこだわりがなくて、プロの仕事でさえあればたいがいのものを好きになってしまえる人、というのもいるにはいるんだろう。でも私は「好きなもの」を見つけ出すのが難しい。だから「あんたなら好きなはず」と言われて、わらにもすがる思いで手に取ったものが嫌いだった時、言葉で言い表せないほど腹立たしい。レンタル屋の店長にも「好きなはずって何!?○○とコレはぜんぜん違うよ!!」とどなりこみたいくらいだ。

友達の場合、薦めた当人というのは、本当に「これはあなたの趣味に合うだろう」と考えたというよりは、結局自分がそれを好きなのだ。だから「よかったよ、ありがとう」という返事を期待している。「なぜ私はそれが嫌いか」なんて聞きたくないだろうし、実際話そうとしてもなかなかちゃんと聞いてくれない。それなら、安易に「好きなはず」なんて断言しなければいいんじゃないかと思う。他人のことなんか、わかったつもりでも結局何もわかってないんだから。こっちも、言われてもいっさい信じなければいいのだ。ところがそう思っていると、ごくまれに本当に大当たりの時もある。困ったもんだ。

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