« ファンタスティック・4 | トップページ | LOVE!!★UNDER WORLD »

2006年5月 6日 (土)

毛布愛好者の小劇場

Photo_5

←MY毛布。ブランキー・ミルクローズ君(通称ミルミル)

 Kが「一人はさびしいよ……」と言うので、「じゃあ毛布を買えばいいじゃない」と言ったら妙な顔をされた。

 私が見たところ、彼女の寝床がわびしい理由は一つしかない。掛け布団だけを使用していて、毛布を置いていないからだ。理由は暑がりなのと、チクチク感が苦手だからという。でも心配ご無用。綿毛布の季節の到来だ!

 確かに昔は、毛布といえば冬用のウールのものが主流だった。コットンの、それもゾクッとくるほど手触りのいいのがたくさん出回るようになったのはいつからだろう。

 店に行くと、魅惑の綿毛布たちがささやきかけてくる。

「わたしを見て! デザイナーズブランドよ。この美しい色使い、芸術的でしょ? あなたのベッドを華やかに彩ってあげる」

「あたしはしっとり滑らかシルク混なの。触ってみて」

「ぼくだって軽くてふわふわだよ。抱いてごらんよ」

「待ちな。あんな連中と寝たらつま先がはみ出ちまうのがオチだぜ。ロングサイズのオレ様なら包容力バッチリさ」

 うおぉぉぉ、そりゃもう、日替わりでみんなと寝たいさ!

 でも、私が他の毛布に心を移したと知ったら、ミルミルがスネてしまうんじゃなかろうか。現に、今日帰ったらスネてるかもしれない。

「ただいま、ミルミル」

「あッ、他の毛布の匂いがする! また毛布売り場へ行ったね」

「ち、ちがうんだよ、これは。友達に毛布をみつくろってあげようと思って……」

「そんなこと言って、ぼくに飽きたからお払い箱にする気なんだ」

「ばかだねミルミル、おまえを捨てるわけないじゃない。先週だってシャンプーで洗って干したばっかりなのに。ねえ機嫌直して、今夜も一緒に寝ようよ」

「もう、しょうがないなぁ……」

※どうしてシャンプーなのかというと、フツーの洗剤より洗浄力がマイルドだし、香料が上等だから毛糸用洗剤のような無粋な匂いがしない。ただしお湯で溶かしてから洗濯機に投入する。これで愛用の毛布を自分と同じ香りにできるわけだが、あえて自分が使っているのと違うシャンプーで洗うのもオツだ。

 ミルミルならバニラやストロベリーの香りも似合うが、クールなモノトーン柄は男物のシャンプーで洗う(私の場合はさらに男物のオーデトワレもスプレーしてしまう)。他人のベッドにこっそりもぐりこんだようなスリルが味わえる。もし原色のトロピカル柄を持っていたら、ココナツ香にしたいなぁ。

 こんな怪談を耳にしたことがある。ある男性が、5歳の時もらったアニメキャラの毛布を20歳過ぎても愛用している。一度も洗濯しない。悪臭漂うボロ布と化したその物体に家族も閉口しているが、捨てようとすると逆ギレするので手がつけられない――。

こういう、ごく一部の変質者のために毛布愛好者全体のイメージが悪くなり、ひいては私のような真っ当な毛布愛好者までもが偏見の目で見られて、カミングアウトしにくくなってしまう。

本当に毛布を愛する心があるなら、なるべくきれいなまま長持ちするように使うし、寿命が来たなら「ぼくはもう疲れた」そんな毛布の声が聞こえてくるだろう。また、人間側の年齢やライフスタイルも変化する。その時の自分に合った毛布を探せばいいのだ。別れがあれば、また新しい毛布との出会いが待っている。

同じ毛布愛好者として言いたい。捨てられないのは、愛でもなんでもない。精神が新陳代謝をやめてしまった、単なるエネルギー切れ状態だ。

 しかしKは「変質者だろうが正統派だろうが、そーやって特定のモノに執着する精神がいっさい理解できん」と言う。そして議論はなぜか宗教と偶像崇拝に・・・。その話はまた今度。

|

« ファンタスティック・4 | トップページ | LOVE!!★UNDER WORLD »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/28889/1691337

この記事へのトラックバック一覧です: 毛布愛好者の小劇場:

« ファンタスティック・4 | トップページ | LOVE!!★UNDER WORLD »