« 無敵の毛皮 | トップページ | 昼風呂 »

2006年12月11日 (月)

憎まれっ子世にはばかる話

B000fpemww01_aa192_sclzzzzzzz_v41756939_

私はこういう絵とか、赤い「666」とかいう数字を見ると、蛍光灯に集まる蛾のごとく惹き付けられてしまうらしくて、ついヨロヨロと歩み寄って手を伸ばし……

いざ観たら、古いオーメンと同じだ~! 一作目の リメイクとは知らず、新シリーズと勘違いして借りてしまったのだった。なにしろストーリーが同じなので、一作目を観た時のスリルやトキメキはもうなかった。こういう映画はスリルが命なのに。それでもやっぱり観ていて飽きない。

 私が最初の「オーメン」に出会ったのは多分10代の時なのだが、詩の謎解きをやる場面の、「悪魔は混沌の海から生まれる」という「混沌の海」が「政治」を意味する、というところでいたく感激したのだった。こういう辛辣さこそホラーだよね! と思ったものだった。

 私の記憶では、初代のダミアン君はもっとほっぺがぽっちゃりして、髪もクセ毛でもっと明るい色だった気がする。そして曖昧な、つかみどころのない印象だった。今回のダミアン君は黒髪で、きちんと血色悪くメイクされ、視線や表情の演技がよりわかりやすい。つまり、よりわかりやすい「憎たらしい感じの子」に仕上がっていると思う。

 よりコワモテになった新しいダミアンなだけに、夜中にキッチンでサンドイッチを作っているシーンがものすごく笑える。母がなんとなく台所へ下りてくると、暗闇の中でダミアンが、青白い無表情で食パンに何かを塗っている(悪魔でも夜中にパンが食べたくなるのか……)。

 私もたまに夜中に目を覚ましてむしょうに何か食べたくなるが、子供の頃は「こんな時間に食べちゃダメッ」と怒られた。これも普通なら「こらダミアン、何やってるの」「だって、ぼくおなかすいちゃったんだよ」となるような場面なのだが、ダミアンの顔があんまり怖いので(?)母が何も言えない。そして彼はパンの皿を両手で持って、自分の部屋で食おうと思ったのか何なのか、無言で去ってゆく。わずか5~6歳にして、すでに10代の反抗期の子のような貫禄なのだ。

 そんな最悪な親子関係なのだが、「私はこういう子、べつに嫌いじゃないな」と思う。本当に人を殺したら困るが、無愛想で口もきかないという程度なら、しかも何か悩み事があるわけでもなく生まれつきコワモテな性分なら、それも個性。人なつっこくてハキハキした子だけを愛するような了見の狭い大人になりたくない。

 でも、どうしてだろう。前はちゃんとダミアンが100%悪役に見えたのに、今度は「大人の、子供に対する勝手な好き嫌いの感情が正当化されたらこうなるだろうという話」にも見えてくるなんて……。やはりダミアンは曖昧で没個性的な子でなければならなかったのに、ちょっとわかりやすくしすぎちゃったのだろうか?

|

« 無敵の毛皮 | トップページ | 昼風呂 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/28889/4500054

この記事へのトラックバック一覧です: 憎まれっ子世にはばかる話:

« 無敵の毛皮 | トップページ | 昼風呂 »