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2007年7月 8日 (日)

「マリオネット」ガブリエル・バンサン

Imgp1769最近見つけて、かわいいから買った。お人形をめぐる子供の純情が痛い!

ガブリエル・バンサンのデッサン画の絵本は全部集めたいくらい好きで、とくに「天国はおおさわぎ~天使セラフィーの冒険~」が気になるが、これはぶ厚いのでお値段が高め。

「たまご」は、巨大な卵や黒い鳥、という謎めいたモチーフにはすごく惹かれるものの、シュールすぎてややわかりにくい。作者のバンサンがベルギー人ということで、もしかするとベルギー人にしかわからない社会風刺でも含んでいるのかもしれない。

Imgp1770←こちら、有名な「アンジュール」。

初めてガブリエル・バンサンを知ったのがこの本。

あまりに感動したので、一時期ウチを訪れる人全員に見せていた。ただし「大好評」という本屋の売り文句とは裏腹に、反応は意外とまちまち。いくら「このデッサンの線がすごいの! 最小限の線ですべてを表現するところがすごいの!!」と力説したところで、「色がついてなくちゃ絵じゃない」「言語による説明がないと理解不能」という人もあって、根本的な部分で好みが分かれる。

主人公は、いきなり飼い主に捨てられたアンジュール。彼は絵本にありがちなかわいいワンちゃんではなく、明らかに成犬。しかも猟犬タイプのゴツめの雄で、毛皮よりもむしろ関節や動きを強調して描かれ、哀愁漂う魅力を見せてくれる。それは、鎖に繋がれ、そこそこの幸福と倦怠のぬるま湯につかるようになるとたちまち消えてしまうであろう儚い輝きであり、薄氷を踏むような緊迫感あふれる美しさだ。すてきだ、アンジュール。いっそ永遠に野良犬でいてくれないものだろうか。と思うが、最後には新しい飼い主に巡り合ってあっけなく尻尾なんか振ってしまう。ただ、巡り合った相手が幼い子供であるために、「主人に捨てられた→別の主人のもになる」という、やるせない構図からはやや救われて、ちょうど共鳴できる仲間に出会ったようなハッピー感を残す。

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