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2007年12月10日 (月)

「ブギーマン」

21hwhd1g4al_aa192_1  真夜中に暗くした部屋で、猫と二人で「ブギーマン」を観た。猫は最初はつきあってくれたんだけど、途中から寝てしまった。この映画は効果音にこだわっていて、扉や古い家の「ギギギギ……」という軋みがポイントなので、ヘッドホンで聴くと良い。

 

 ブギーマンとは、クロゼットから出てくる不思議な怪人。主人公はとっても怖がりな青年で、子供の頃、ブギーマンが父親をクロゼットに引きずり込むのを目撃したという過去を持つ。しかしそのことを誰にも信じてもらえず、「父が蒸発したため、妄想の中に現実逃避した」と思われている。

 

 彼は「あれは妄想なんかじゃなく本当のことだった」と言い張る(彼にとっては確かに現実なのだが)。そして「ブギーマンは、ぼくの大切な人たちを次々と連れ去ってしまう」と嘆く。

しかし母はブギーマンにやられたわけではなく、普通に病死して、葬式まで出している。私の解釈では、彼の言う「大切な人たち」は、やはり自分から彼を捨てて去って行った人たちなのだと思う。

 おじさんはどうして消えたのかよくわからないが、ブロンドのガールフレンドとは、最初からしっくりいっていない。出てくるたびに強引なくらいセクシーに迫るが、彼は応えられない。またこの女、母の死の直後で落ち込んでいる彼を責めたり、「お酒でも飲んでパーッとやろうよ」と、ちょっと軽薄な感じである。

 最初に消えた父も、彼を無理矢理クロゼットに閉じ込めて荒療治しようとするなど、子供の心に添わず大人の理性を押し付けるだけだった。

 こんな人間関係なのにどうして「僕の大切な人たち」と言い切れるのか、そもそもそのあたりが間違っている。

 彼は、幼なじみのケイトだけは死守する(ちなみにケイトは恐怖の対象を「ベッドの下」と定義しているので、ケイトの部屋ではブギーマンの出入り口がベッドの下になる)。ケイトは最初のガールフレンドに比べればよほどマトモないい娘なので、一緒になるならこっちの方が良い。この青年、結局ブギーマンのおかげで不幸にならずに済んだようなものである。

 

 これは、明るいホラーと言ったら変だが、「自分の人生を救うために恐怖に立ち向かえ」という、明確なメッセージ性を持っている。ガイド役の少女が「困った時は原点に戻れ」と言うが、これも、いつも創作で困っている私には好きな言葉。そんなわけで、薄暗い映像とは裏腹に、とっても前向きなお話でした

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