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2008年2月11日 (月)

プロレタリア風セクシーポエム

Imgp3209_2 ←雪うさぎ

 大昔に書いた、こんな恋文が出てきました。

 

 

*

*

銀色の スチールタワシを掴む

水仕事に荒れた 指先さえも綺麗なあなた

しなやかにのびる 浅黒い腕は

薄汚れた白衣の 巻き上げた袖の中でさえ気高く

中華なべを洗う

擦る

擦る

水を流す

黒い柄を 一心に握り締めて

許されない問いが浮かぶ

もしやその清廉な指先でさえ

夜の慰みを知っているのかと

あなたの両手に刻まれた

たくさんの火傷や切り傷の

痕のひとつひとつに口づけて

分けてほしい あなたの痛みを

店長 店長 店長

バイトじゃなく鍋になりたい

恋人じゃなく鍋になりたい

焼かれ灼かれて あなたの右腕

あぁ 鍋になりたい

 

 実は、ここに登場する「店長」に、私は実際会ったことがない。片想い中の友達から毎日のように話を聞かされ、「どうやって告白しようか」と相談された。そこでシラノ・ド・ベルジュラックではないが、文章の下手な友達に代わって「私がラブレターを書いてあげよう」ということになり、最初は友達も「それは心強い」と喜んでくれた。

 そして完成したのがこれ。 私としては相当の自信作で、「これを便箋に書き写して店長に渡してごらん、喜んでくれること間違いなしだよ」とすすめた。しかし「こんな恥ずかしいものが渡せるか!!」と怒られ、けっきょくそのままお蔵入りになってしまった。

 今読んでもちょっとおもしろいのに。(たしかに、第三者だからこそここまで書けたような気もするが)

 

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