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2008年4月 3日 (木)

お花の下の愉快な人々

Imgp3609  桜はそれほど好きな花ではない。私はホタルブクロやハイビスカスがいい。てやんでい、梅や桜なんざ、ただのワタボコリじゃあございませんか。

それでも、川の両側の桜並木がいっせいに花開いたところはやはり圧巻だった。

 この近所の桜並木をある時間帯に通ると、同じカップルに遭遇する。女性は脚のどっしりとした、昔の農家なら「丈夫な嫁」として重宝されそうな娘で、顎に特徴がある。男はわりとハンサムだが、子供の番組に出てくる「歌のおにいさん」か何かのような、どこかトボケた服のセンスだ。

 この2人が川べりの並木道にいるのだが、見かけるたびにふざけている。追いかけっこをしたり木の後ろに隠れてみたり、仲良くキャッキャとやっている。

このマンガのようなカップルを、枯葉の散る秋にも見た。凍るような真冬にも見た。そしてつい先日、満開の桜の下でもあいかわらず「ほーらつかまえてごらん」「アハハハハ」とやっているのを目撃してしまった。

 いくらなんでも年がら年中あんなに浮かれているわけがない。もしかして違うカップルなのではないか――そう思って川の対岸から目を凝らしたが、やはり同じ男女だった。男は、真冬に見たときと同じジャケットをまだ着ていた。女の、ショートパンツとカラータイツに包まれた地母神の脚も健在だった。2人のまわりだけ時間が止まっているようだった。

桜の下のバカップルは秋や冬に見たときよりいっそう愉快で、笑いをかみ殺しながら通り過ぎた。しかし己を振り返れば、自分にもあんな時代があったのだ。そして、どうしてあの時あんなに浮かれていたのかといえばなんのことはない、つまらなかったからだ。金がないから公園にでもいるよりほかないし。そんなことはコロッと忘れて「あの2人、またやってるよ」と笑っている。さくら、さくら。

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