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2008年8月18日 (月)

大人一名につき銀貨1枚

Imgp5356  フェルメール展を観た(どうでもいいけど、英語読みすると「ヴァーメア」なんだな)。

 現物の展示はちょっぴりしかないが、解説と関連作品でがんばっている。

 個人的に、フェルメールの人生が気になってしまった。良家の娘と結婚し、10人(11人?)の子供をつくる。しかし作品が少ないためか、それともあまり高く売れなかったのか、借金ばかりしている。最後は、まだほとんどが未成年だった子供たちを残して他界。その後、妻が破産手続きをしている。

 彼の全部の作品を見比べると、複数の作品に同じ衣装や同じファブリックが繰り返し登場する。生活苦をうかがわせる年表を見てしまった後では、それがなんだか物悲しい。単にその衣装がお気に入りだっただけかもしれないのだが……。

今回展示されなかった他のフェルメール作品は、原寸大の写真パネルのコーナーで見ることができる。このパネル展示コーナーで、すごい絵を見つけてしまった(なんか、こういうのはすぐ見つけちゃうんだよな、わたし)。

 酒場みたいな雰囲気の絵の中で、中央に座っている、妙に貫禄のある若い女性。その背後に立った、帽子を目深にかぶった青年。手が……手が女の胸をつかんでいる。それだけなら、彼氏か旦那かもしれないのだが、もう一方の手はなんと……

 さりげなーく女に金を手渡している。しかも、銀貨1枚。シケてるな、にいちゃん……。

(私は、ファンタジー小説を書くときは、娼館の料金はおよそ銀貨3枚と定義していた。その根拠はとくにないのだが、自分のイメージでは女工の日給が銀貨1枚ということになっているからだ。ちなみに、かの有名なマグダラのマリアの料金は、一説によると「ナデリ銀貨1枚」だそうである)

 

 と考えていて、ハッとした。もしやこの絵、「マグダラのマリア改宗前」とかではあるまいな。

 しかし、絵の題は「取り持ち女」。はじっこの方に描かれている、あやしい顔のおばあさんが取り持ち女なのだろうか。それにしても、客の男がハンサム君なのはまだしも、娼婦までが崇高といっていいほど清らかな顔つきをしているのはなぜだ?(絵の美しさと、ポーズの猥雑さのギャップがドラマチックだ。まるで映画スターのスキャンダル写真みたい)

 とにかく、見れば見るほど意味深でおもしろい絵だった。これからフェルメール展に行く予定の方は、ぜひ写真パネルコーナーの「取り持ち女」をチェックです。

 

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