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2009年4月

2009年4月28日 (火)

藤棚

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ふりしきる 藤棚の香 雨のごと

嘘巧き背の にき髪に染む

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2009年4月27日 (月)

ご案内

5月10日(日)、蒲田駅の大田区産業プラザPiOで開催されます「第八回文学フリマ」 http://bunfree.net/ に参加いたします。

030 ブースナンバー: C-40 サークル名【LYCANTHROPE】 で出店させていただきます。ただいま新刊準備中。どうぞお手にとってごらんください。またはご意見をお聞かせ下さい。

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2009年4月13日 (月)

異次元の豚

 怪談で、猫の妖怪を扱った「猫モノ」というのはとても多く、「犬モノ」もわりとあって、ヨーロッパの怪談なら狼がやるような役割を、日本の昔話では犬がやる。ウサギの怪談は少なく、私は一つしか知らない(タニス・リーの「シリアムニス」。この雌ウサギの不気味な迫力は絶品)。霊馬モノはヨーロッパに多く、日本にはない。日本ではどちらかというと牛が魔力を持つ。

 最近、非常にレアな「豚モノ」を見つけてしまった。その名も「異次元の豚」(1947年発表。原題は「ザ・Hog」とそのまんま)。「幽霊狩人 カーナッキの事件簿(W・H・ホジスン 夏来健次訳 創元推理文庫)」収録

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この物語は、

 怪奇現象を調査しているカーナッキという人が、悪夢に悩んでいる男の相談を受ける。その男は眠ると異次元に入り込んでしまうという特異体質の持ち主で、その異次元の世界の中で、豚の妖怪に追いかけられる。どうにか逃げて目を覚ますが、いつか捕まってしまいそうで恐ろしい。かといって眠らないわけにもいかないので困っている。

 そこでカーナッキが男に自分の前で眠ってもらうと、この男を媒体にして異次元への通路が開き、そこから豚地獄が垣間見える。たくさんの豚の鳴き声がしたり、黒い霧の中から豚の鼻が突き出したりする。そしてとうとう、豚の大魔王があらわれてしまった……!

(こう書くとギャグのようだが、これが大まじめに恐怖体験として綴られていて、ちゃんとサマになっているからすごい。豚をこんなに怖く描いてある話は初めて見た。このホジスンという人、自分で書きながら笑ってしまわなかったのだろうか?)

 どうしてこの男が豚の魔物と敵対関係にあるのか、「実家が代々養豚業でして」とでも言うのかと思ったが、けっきょく物語中には何の説明もなかった。しかしとにかくこの異次元は、長年にわたって人間に家畜化され、屠殺され、食われ続けた豚たちの怨念がつくりだしたものだろうと思って読んだ。べつに特定の人間が悪いわけでもないので、この男が人類を代表して罪をかぶったのだろう。本来は人に食されるべき非力なはずの豚が、この異次元では最強の存在として支配権を握っていて、逆に人間の霊魂を食らうのである。西洋人は食肉の歴史が長いから、近代化される以前の、罪悪感のようなものがこの当時まだあったのだろうか。

いや、それともまったく逆に、「動物とは霊魂からしてこんなふうに邪悪で欲深いものなのだから、人間様が管理してやらないといけないんだよ」という考え方が秘められているのだろうか。昔の宗教にはこういう都合のいい理屈があって、「動物」の部分を「子供」とか「女」としてしまえば体罰も虐待も正当化される、ある意味万能の言い訳である。そう考えてしまうとちょっといやな話だ。しかし怪談とは本来、不可能なはずの復讐が果たされ、現世では太刀打ちできない不公平や理不尽があの世の力によって正される場なのだから、私としては前者だと思いたい。

またカーナッキもこの件に限っては自力で勝利したわけではなく、異次元パトカー?みたいな謎の光に助けてもらっている。最後は神頼みで恩情をかけてもらった感じである。自分のためではなく、依頼人のためを思う心がけが認められたということなのだろうか。もしも自分が人類代表として豚地獄に落ちたら、せめて大魔王を見てからザコ豚に襲われたい。

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2009年4月 3日 (金)

「アンダーワールド ビギンズ」を観た

S0031  お城と血とクリーチャーを見てきました。

どのシーンもすべて青っぽくて薄暗く、血の色だけがとっても鮮やか。この海底のような色のまま行われるソーニャとルシアンのラブシーンが不思議で、女の皮膚が水色に、唇が灰色に見える。それでも綺麗だ(しかし恍惚感を映像で表現しようとしたのか何なのか、ルシアンが崖から落ちそうで落ちずにフワフワしているのが変で脱力)。

「アンダーワールド」は一作目から、ヴァンパイアが高級そうな邸宅をかまえて女も交えて優雅に暮らしているのに、狼男は薄汚い男ばかりで基地も廃墟のような物悲しい生活ぶりだったが、その起源がわかる。これはほとんど、ヴァンパイアの支配に闘いを挑んだ革命家ルシアンのお話。

この頃はビクターの性格がまだ時代とそんなにズレていなくて、住民の血と貢物を吸い上げるという、まさにヴァンパイアな生活をしている。ただ吸血鬼なのは中央政権だけで、地方の領主のような人々は普通の人間のようだ(何かがおかしいとは思っているらしい)。

 個人的にタニスが気になる。ヴァンパイアなのに妙に人間味のある中間管理職ぶり。城が攻撃されているときなぜか巻物をいじっていて、ビクターに「そんなことより長老を起こせ」と言われたのに、けっきょく長老らしき人物は出てこないし、いつのまにか船で逃げた。

 それから何百年も経って一作目の現代のお話に至るわけだが、狼男の生活がいまいち冴えないままなのはどうしてなんだろう。そもそも彼らにはいい家に住みたいとか、女をはべらせたいという願望がないのだろうか。封建的なヴァンパイアはともかく、ルシアンは進歩派で、革命家としての性質を与えるなど美化しているから、贅沢させるわけにいかないのだろうか。

 そういえば、おやつ節約のために水筒とおむすびをバッグにしのばせて映画館に入った。気がついたら、ルシアンが衛兵を食い殺して血まみれで「うがーーーッ」とやっているのを見ながら玄米おむすびをほおばっていた。やはり映画にはスナック菓子が似合うのではないか、と思わないでもない。スナックの映画館価格をやめてコンビニ並にするか、高いけどおいしいか、どっちかにしてくれるとありがたいんだけども。

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